麻 の 実 ぷ ち ぷ ち

ネパールで出会ったゴクールさん。

彼はヘンプショップをやっていて、行くといつもヘンプティーをいれてくれました。

麻の実を煎ってそれを紅茶に浮かべたお茶。

煎りたての麻の実の香ばしい味と

噛む度にプチっと割れる皮の食感はやみつき!

そんなゴクールさんの家でおいしい麻の実チャツネを教わりました。

チャツネだけに…

材料はいたってシンプル!

焼いたトマトと麻の実、塩、唐辛子。
それらを全てすり潰して完成!

ああ、これ欲しい…

綺麗に並べられたお皿や使い込まれたお鍋やフライパン。

なんだか気持ちいい台所だなあ。

興味しんしん…

ゴクール家はお兄さん家族とお父さんお母さんの大所帯。

ごはんを作るのは女部隊らしいのですがなかでも

「お母さんの料理はとーってもうまいです!」と話すゴクールさん。かわいい。

さてさてそうこうするうちにあっという間にチャツネ完成。

少しだけ水をくわえてとろりとさせます。

ネパールでは朝は軽めの朝食などあまりごはんを食べる習慣はなく、

午後の早い時間と夜の2回が基本。

そしてごはんのメニューはほぼダルバート。

ダルバートはダルという日本のお味噌汁的な豆のスープで

豆やスパイスを変えて毎日作られます。

それにごはんとタルカリという野菜の炒め物やチャツネなどの付け合わせを

まぜながら食べる。そしておかわり自由。

というかおかわりどんどんしなさいよ〜システム。

お店ではごはんやスープがなくなると店員さんが鍋を持ってまわってきて

おかわりいるか?と聞いてきます。

だいたいいつも二人前くらいの量を食べる事になります。
そしていただく麻の実チャツネ。

うまーい!!!どこのお店で食べたダルバートより一番おいしかったかも…

たったあれだけの材料なのに、味がとっても奥深いのは麻の実のうまみ。

麻の実は玄米のようにとても栄養価の高いタンパク質。

ゴクールさんの家ではほぼ毎日のように食べられている麻の実。

とてもうらやましいな。

日本にこの麻の実を持ち帰る事はできなかったけれど

工房チャツネでも麻の実を扱うことにしました。
こちらはオーガニックの麻の実で砕かれたタイプのものです。

あのプチという食感と皮の香りは楽しめないけれど、

とても使いやすく、チャツネの食卓では胡麻のように

いろいろな料理にかけて頂いています。コクと甘みがあってとてもおいしいです。

これから麻の実をつかったパンも作る予定。


麻は繊維はもちろん、紙にも油にも燃料にも、

プラスチックや建材にまでなってしまうすばらしい天然の資源。

あらゆる気候で育つ麻は雑草のように強い植物です。。

今の日本では一部の場所でしか栽培が許可されていないけれど、

いつかもっと身近な植物となって日本産の麻の実を

ぷちぷちと噛みしめる日が来るといいな。

そしていろいろな資源への活用がもっともっと出来るようになって欲しい。

チャツネでは夏中は麻の蚊帳を張っていました。(まだ張っりっぱなし…)
蚊帳の中にいるとなんだかとっても気持ちが落ち着く。

心が静まって、何かに守られているような気持ち。不思議。


夕方訪れたお店では、一杯やりましょう。と

お酒好きのゴクールさんがネパールの地酒ロキシをおごってくれました。

そして夜ごはんにまたダルバートをごちそうになる。

居間でおばあちゃんやおじいちゃん達と一緒にテレビをみる。

ネパールのとある日常にちょっぴり触れた楽しい時間でした。