畑の野菜たちがぽろぽろと採れるようになりました。
この季節に食べる春菊がまるでハーブのように香り高く美味しいことを
畑をやってから知りました。
他の葉物には虫が寄ってきてしまうけれど、
春菊は不思議なことにひとつも虫喰いされない。
ここにはどんな虫がきて、この虫はこの葉っぱが好きで、
鳥がきて、チョウチョがきて、トカゲがきて、みみずがきて
今までにいなかった虫や動物たちが訪れるのを
観察するかのように朝晩眺めてしまいます。
ちいさな一つの種の中に、いろんな情報がぎゅっとつまっていて、
土の中に埋めて水をあたえると
スイッチがはいったかのようにその子が目をさまして
にょきにょきと土から顔を出して
太陽と水と風を浴びて ただそれだけなのに
どんどんと背が高くなって、
葉っぱを広げて、
ちゃんと同じ形の花を咲かせて、ぷくっと実を実らせる。
それを食べた人間は美味しいねってうきうきして、
それは人間の身体の一部になって…
ずっと前から知っていることなのに、
毎日大きくなる野菜たちを目の前にして見ていると
どうしても頭の中がもぞもぞしちゃう。
料理をしながらふしぎだなぁ〜って
食べる前にふしぎだなぁ〜って
30才も過ぎてから、野菜を食べることのありがさと
なんとも不思議なこの人間と自然の生態を小さな裏庭畑で学んでいます。