工房チャツネ: お休みありがとうございました。

厚い厚い大きな雲かと思っていると流れる雲の隙間からちらりちらりと見えてくる。

とまどうというかなんというか

それは自分が知ってるキモチの何にも置きかえることはできなかった。

想像を超える大きさはまるで雲に隠れたかいじゅうみたい。

そのかいじゅうは口から火を噴くわけでもなく、こちらへ突進してくるわけでもなく、

ただただそこに現れる。

静かに。とても静かに。圧倒的な存在感で。

全部知ってるようだった。私の事もいろんな事も。

背筋がぞくぞくっとした。

とても恐くてとても穏やかな

そんな不思議なキモチ。

雲がなくなる夕暮れとすっきり晴れた朝焼けの空を

ずっとずっと眺めていました。

長いお休みを頂きました。

工房の新しい準備と約一ヶ月のネパールの旅。

じっくりといろんな事に向き合える時間がつくれました。

大きな自然を前に、どんどん発展するネパールの街を横目に、

山のいろいろな村を訪れながら、そして現地で出会う人に話を聞きながら

ある事をすうっとカラダで感じました。

五感でもないもっと違う別の感覚で。

でもその感覚はこれからのパン作りにも自分の生活にも繋がっていく

とても大切なことだと思いました。

そして今のパン作りにその感覚をこめられると思いました。

なんだか言葉にすると消えてしまいそうなので

ここには書かないけれど…

人間はいろんなことを忘れて

ちょっぴり傲慢になりすぎてしまってるかもしれないです。

その忘れてしまったことを思い出す作業。

それをパンづくりを通して伝えることができたらいいなと思います。

あるネパール人はこう言ってました。

「昔はね、どんなに離れた村の人に不幸があってもそれを感じることができたんだよ。

心でわかるんだ。でも今はそれができなくなってしまった。なんでかな」って。