長いお休みもまもなく終わり

 秋のお店へ向けて少しずつ動きだしました。

今年のお休みはインドの最北の地ラダックへ脚を運びました

 「峠をこえて」という意味を持つラダック。 

4000mや5000mをこえる峠をいくつ越えてやっと辿り着きます

 太陽の日差しがぐっと近くて、空が遠くまで青いこと。

からりとした乾燥した空気と素朴であたたかい人たち。
ラダックへ向かう道中

 だんだんと暮れてゆく空の色と、長い間風や土が創り出した大きな岩の

まるでどこか違うにきてしまったかのような不思議な錯覚に陥りました。

で穴があいた岩山はまるで窓のある巨大な宮殿のようで、
 
動物の姿も人間の姿もなくて
  
ただただ静かで 広くて広くて 大きくて大きくて

月明かりの道を自分たちは少しずつしか進めなくて 

長旅の車に揺られてるせいか静かになってゆく車内でひとり 

もくもくと見た事のない惑星の妄想を繰り広げました


 ラダックのレーの街は想像以上に賑やかでした。

それでもデリーに比べたらインドとは違う空気を纏ってる。

古い王宮や街並は今でも残っていて

ずっと閉ざされて守られてきた文化と新しく入ってき文明が

隣り合わせにひしめいている感じ。

急速に変化しているのだなぁといろいろな場面で感じることがありました。

 それでもレーを少し離れると長閑で昔ながらの暮らしがたくさん残っていて

生きるということの営みがぐっと側にある 


豊かな自然や動物のつながり。

きっと村の人たちにとっては、日々の当たり前の暮らしなのだろうけど

いろいろな物や情報に囲まれている私に

そのシンプル生活がうらやましかった。


大きな自然の中での暮ら、そこで生きていくこ

そしてそこで楽しみや幸せを見つけること

きっとたくさんの物も情報もいらないのだなぁと。 


いつも小さな村訪れると人の強さとすっとした透明感に心がきゅっとします

 そしてざらざらしてしまっわたしの 

動物的感覚本能恥ずかしく感じてしま

きっと通りすがりのわたしにはいいところばかりしか目に入らないのだろうけど

身体をすみずみに使って生活するシンプルな暮らしにどうしても

憧れを抱いてしまうのは何故ろう。。。


今回の旅はまでにないくらいたくさんの人と関わったような気がしています。

旦那さんが山で落石に遭ってしまうというまるで予期せぬ出来事

たくさんの人がしてくれました

飛んできたは旦那さんの脚を直撃しましたが、

幸いなことに骨も折れることなくひどい打撲で済みました

落石の直後は歩く事もままならず大きく腫れてしまった脚に

どうしたらよいかとあたふたしていましたが、

とにかく目の前にある事態と向き合うことだと少しずつ落ち着くことができたの

まわりに居てくれた優しいたちのおかげ

そしてなにより山を案内してくれていたタンジンが居てくれたことは

 本当に心強いことでした。

タンジンはザンスカール出身で馬使いの息子。

この仕事がとても好きなんだと、そしてなによりザンスカールラダックが

大好きだと話してくれました。

自分の生まれた土地をこんなにも愛する事ができるのは

とても幸せなことだなぁとタンジンの話を聴きながらをこらえてる自分がいました

 旦那さんの脚を休めるためにホームステイさせてもらった村から

一人で次の村まで歩くことにしました。

旦那さんが休んで寝ている間、一人出発しました。

まわりは大きな崖のような山々で、日差しが強くて、

吸い込まれてしまいそうな大きな自然がありました。

裸ん坊でこの場所にいたら山と山かされて 

なくなってしまいそうだなぁなんて考えながら

もくもくと小さな村を目指しました。

菜種油用の菜の花畑が見えてくると次の村がありました。

木を張り合わせて作ったようを落っこちないように

そろりそろり渡って村へ辿り着くと
 
急に旦那さんのことが心配になってすぐ帰り道に着くことにしました。

帰りの道中、岩肌の大きな山々に囲まれた場所で

どうしても地面に手をかざしてみたくなりました。

それはふいに、でもそうしなきゃって思うような、不思議な感覚でした。

ふっと地面に手をつくと、それがとっても温かくしくて、

ぐわーーーーっと身体が包まれていました。

ただただ、わんわんと泣いてました。

大地に抱きしめられたような感覚

 旦那さんを傷つけてしまった自然なのに、自然に励まされているようでした

大丈夫だよって。安心しなさいって。

やっぱり自然と人間は繋がっているのかもと。もしかしたらやっぱり一つなのかもと

旦那さんの元へ足早に帰りました。


旦那さんは村の人が貸してくれたドンキーで下山することができました。

村のおばちゃんやおじちゃん、そしてドンキーありがとう。

 本当に感謝しかなかった。

インドへ出発のとき、ちょうど日本では西で大きな雨の災害があったり、

今までにない猛暑日が続いたり、

ラダックでも七月にはめずらしく雨が降る日が多かったりと

自然が少しずつ変化している気がしています。

長い長い間のほんのすこし。

でも人間にはとても大きな変化かもしれない。

そしてその変化にきっと人間はものすごく関わっているのだろうな。

長い長い時間紡がれてきた自然の時間の中で

人間ほんの瞬きのような存在なのだろうけど

それでも自然と隣り合わせに生きていられるのは

ほんとうにありがたくて、そして恐くもある。
  
おおきなラダックの大地みたいに
 
おおらかに目の前の出来事と向き合っていけたらいいなぁと

酵母もそう。おおらかに向き合って毎日育てていけたらいいな。

きっとうまくいく日もうまくいかない日もあるけれど。
 
9月からの酵母は毎年使わせてもらってるbotanical lifeのふたりが育てている

自然栽培のぶどうからおこした酵母です。

毎回驚くのは酵母の発酵力の強さ

発酵力が強いということはそれだけぶどうに

たくさんの酵母菌がついているから

自然や動物たちと共にあふたりのぶどう畑の心地よさ。

どんなパンたちが焼けるか楽しみです。


 長いお休みをありがとうございました。
 
9月1日(土)から12:00 - 17:00 通常営業となります。

ラダックで愛用していたアプリコットのオイルたち岩塩やスパイス、

ハーブティーなど、旅の想い出がつまった品々もお店に並びます。

ぜひ待ちしております。



それともうひとつ!お店の電話番号が変わります。

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