夏2


今回の旅は車好きの箱乗りぶいぶいお父さん(トノ)と

車が苦手でいつも定位置を確保する息子(パンちゃん)と一緒の旅でした。
2人ともよくぞまぁ、気ままな長距離旅についてきてくれたもんだ。

ありがとうでいっぱいです。

犬連れだから、雨がふったらさくっと民宿で…とか美味しいお魚が食べれるお店で一杯…

なんてことはまず出来ず、強制的にキャンプと自炊をすることになるのですが、

これがまたいい想い出。みんなで狭いテントの中でくっついて寝たりしていると

2人(匹)の感情がまる手に取るようにわかってくるもんで不思議。

ぎゅっと距離が縮まったように思う。


香川から入って、愛媛、ちょっぴりしまなみ海道、高知、徳島と

短い間だったけどぐるり一周。


香川では念願のさぬきうどんをまさかのはしご。

雨が降ってぐんと気温がさがった日にチャンスとばかりに

犬たちには車で留守番してもらい朝からうどん三昧。
セルフ!

うどん屋さんによって麺の感じがぜんぜん違うから、

自分好みのさぬきうどんを求めだしたらきりがないなぁ…

愛媛にはいった時は曇り空からはじまった。

この砂浜の近くの公園で一泊。足を虫にそこらじゅう刺されて

パンパンに腫れてしまった。何の虫だろ。。。
犬たちと散歩から帰ってきた旦那くんが花をくれた。

海辺にたくさん咲いていると。

紫色の小さな花がたくさんついた花。白い砂浜にとても合う。

水に差しながらなんとか桐生まで持って帰ってくることができた。

根っこ生えるといいな。
愛媛、海がとっても綺麗だ。

しまなみ海道を渡って大島へ。

みかん畑がそこらじゅうに広がっていた。

青々したみかん達があちらこちらにたわわに実ってる。

畑の間を歩いているだけで気持ちがいい。


行きたかったパン屋さんにも行く事ができた。

パン作りをはじめてしばらく、何かの雑誌で見つけたパン屋さん。

瀬戸内の島で石窯でパンを焼いている人がいる。

自然いっぱいの中で、自分のペースに合わせてパンを焼くパン屋さん。

ああ、理想だなぁ…なんて、当時の私には夢の夢の夢の世界。
“paysan”さん

開店してからそんなに時間はたっていなにのにパンはもうわずかになっていた。

お目当ての食パンはご対面できずだったけれど

気さくなオーナーとお話することができたり、

工房や石窯を見せてもらったり、ありがたい。

夢の世界が目の前にあって不思議な気分だった。
paysanさんのお店の横にある小さな丘を登って木々のトンネルをこえると

ぶわーっと広がる瀬戸内の海。

あれ…やっぱり夢みたい。



愛媛ではいっぱい太陽を浴びて、のんびり過ごすことができた。

うっそうとした森を抜けて出会った入り江は素晴らしかった。
海がほんとうに美しかった。ウニもいて、魚もたくさんいた。

週末には親子で釣りに来ている人たちがいたり、

地元のおじいさんは手漕ぎのボートで海へ繰り出していった。

七夕の飾りを海に流しにきたおじいさんが

ここは昔海賊が住んでいて、ここから船を広島まで出していたんだよ。

そしてここらへんを守ってくれていた。

と話してくれた。

きっとそれは自分たちが生まれるちょっと前の出来事なのだけれど、

むかしむかし…なんて始まるおとぎ話を聴かせてもらっているかのようで

胸がざわざわした。

おじいさんと一緒に来ていた孫が、岩にはりついている“亀の手”という貝?を

たくさん採って見せてくれた。

見た目は鋭い爪の生えた亀の手みたい。

これを炭火であぶって中身を食べるのだそう。

無理だな…と思う。


夕焼けも朝焼けもきれいだった。



犬も人間も海でのんびり深呼吸。

愛媛を下って高知へ。
高知の海もびっくりするくらい青かった。

熱帯魚が居て珊瑚礁が広がる高知のはしっこの海。

吸い込まれるような青さ。

魚がところどころで泳いでる。

小さな頃から海にはよく家族で出かけていたけれど、

こんな綺麗な青い海が日本にあることなんて知らなかった。

ああ…うみ、うみだ。わたしは海が好きだ。

つづく。